水素インフラのバルブ監視のためのワイヤレスExセンサ

水素技術の発展は勢いを増しており、インフラ整備も進んでいます。それに伴い、ネットワークだけでなく、発電所や配電システム、そして消費者のもとで水素の流れを調整するバルブの需要も増加します。

また、そのように利用されるバルブの位置も監視する必要があります。バルブ用のスイッチやセンサを選択する際には、水素が爆発性であることを考慮しなければなりません。したがって、ヨーロッパでは、ATEX指令などに準じたガス防爆規制が適用されます。圧力レベルが最高700 barと高く、水素分子は極めて小さいため、バルブを選ぶ際には、気密性の要件が高いことに注意する必要もあります。

このような条件下で、シュトイテのControltec分野のEx RF 96シリーズのEx無線ポジションスイッチが、その価値を証明します。スイッチがバルブの位置を検出し、シュトイテが開発したワイヤレス技術「sWave®」を介して、対応する信号を無線で受信装置(通常は危険区域外に設置)に送信します。

水素インフラの多くのアプリケーション分野で、非接触センサは、機械式スイッチと比較して監視に適したソリューションです。爆発性ゾーンで使用されるバルブの圧力室は、絶縁または密閉されていることが多いからです。バルブはソレノイドを介して切り替えられ、位置監視も非接触で行われます。

このようなアプリケーションに向けて、シュトイテのControltec分野は、Exゾーン1および2で使用可能な、検知距離が長い、防爆型誘導性センサ、Ex ISシリーズを開発しました。このセンサは、バルブのスピンドルの位置を直接検出するので、バルブ位置を監視する対象としての「ターゲット」を必要としません。そのため、設置も容易です。

シュトイテは、ワイヤレスタイプのガス用 防爆型誘導性センサにより、「水素インフラにおける実用的なバルブ位置監視」の実現にさらに近づきました。Ex RF 96 ST 無線モジュールと組み合わせることで、Ex RF IS は、産業の環境に適した sWave® 無線プロトコルを介して、関連する受信装置(Ex ゾーンの外に設置)と信号を交換できます。センサと受信装置間の通信はsWave®無線技術で行われ、各国の周波数(868、915、917、922 MHz)に適合させることができます。

センサはリチウム電池で作動し、爆発性ゾーン内での交換が可能です。このタイプの電源は、ステータス信号によるスイッチの監視や、LBT(""Listen before talk"")技術によるワイヤレス通信の最適化などの追加機能の使用を可能にします。

さらに、バッテリーによる電源供給は、防爆条件下での設置を簡素化し、防爆準拠のケーブルエントリーを省くことができます。つまり、効率的かつスマートなソリューションであり、多くのバルブメーカーが採用している方法です。